海外からの日本に対するイメージは「サムライ」、「忍者」、「すし」と、いまだに根強い印象があるようです。

そんな日本=忍者という認識をさらに強めてしまった、少年ジャンプの黄金時代を他の漫画と切磋琢磨しながら築いた「ナルト」。

主人公であるナルトの名前をそのまま作品名に使い、その強い個性と破天荒な性格、頭に残る言葉遣い「○○だってばよ。」を引っ提げて漫画界に旋風を巻き起こしました。

人気の理由は、どうしても古くなりがちな忍者のイメージを「今風にまとめあげた」からでしょう。

それでは、そんな「今風」をいったい何が彩っているのか、探っていきましょう。

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血継限界と三大瞳術

アカデミーや修行で会得する一般的な忍術以外に、その血縁でしか発現せず、場合によっては、その血縁の中でも類まれなる才能を持った者にしか得ることのできない血継限界

その代表的なものとして三大瞳術が存在します。

 

写輪眼(しゃりんがん)

漫画やアニメでもかなり前半から登場し、うちはサスケや、うちはイタチなどのうちは一族のみが扱える写輪眼ですが、その特殊な能力はいくつか存在します。

写輪眼は三段階の成長を遂げ、成長するたびに瞳に模様が一つずつ増えていきます。

その模様が増えるたびに能力が付与されていき、動体視力が飛躍的に上昇し、相手の術をコピーしてしまう洞察眼から始まり、相手に幻術を見せる幻術眼、相手に催眠術をかける催眠眼などの強力なものへと進化します。

この時点でかなり強力な力を持っている写輪眼ですが、ある条件を満たすとその呼び名が、「万華鏡写輪眼」と変わり、能力も飛躍的に上昇するのです。

そのある条件とは「写輪眼の開眼者が、家族や友人などの近しい者の死を目撃し、それに対する深い悔恨や悲しみをいだくこと」とされています。

これにより強力だった写輪眼が、最強の万華鏡写輪眼へと進化を遂げるのです。

 

白眼(びゃくがん)

作中では日向一族である日向ネジ、日向ヒナタなどが白眼を使用します。

能力は写輪眼より優れた洞察眼を持ち、単純な視力の強化やものも透視も可能にし、相手の術者の経絡系をも視認することができます。

その白眼と相性の良い体術である柔拳を駆使し、相手のチャクラを封じながら戦える日向一族は、体術のみの世界でみると最強とされています。

また、漫画やアニメでは登場しませんが、劇場版のナルトでは写輪眼同様に上級の白眼が登場します。

その発現条件は明かされていませんが、瞳術の名前は転生眼といい、尾獣の力を従えないと使えない六道仙術に似た力を使用することができるようになります。

少し劣り気味だった白眼ですが、ここで万華鏡写輪眼をも凌ぐとされる瞳術に変貌します。

 

輪廻眼(りんねがん)

三大瞳術の中でも最強の呼び声が高い輪廻眼ですが、当然使用する為の条件も厳しく、いろいろな危険もともなってきます。

写輪眼の派生とされていますが、能力は写輪眼のそれとは異なり、まったく別の瞳術として扱われています。

まず、チャクラの性質変化をすべて操ることが可能になります。

ナルトは、サスケはといった特性を持っていますが、それらの特性を蹂躙する力を秘めています。

ただし、写輪眼で向上した動体視力も停止し、幻術眼や催眠眼の使用は不可能となります。

このような複雑ながらも、強力な「力」を持たせることでナルトの世界観は彩られているのです。

しかし、力という単色だけではナルトの世界観は語れません。

次は「技」という色の話です。

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組み合わせで無限の進化と変化を遂げる

ナルトといったら強烈なバトルシーンが読み手に深い印象を与えます。

しかし、ただの殴り合いではなく、そこには忍術の応酬が繰り広げられています。

忍術の基本は、火遁水遁土遁風遁雷遁ですが、血継限界による合わせ技で、そこには無限に広がる術が存在します。

水遁と風遁の組み合わせにより生まれる氷遁は、作中では白が使用し、桃地再不斬の窮地を救い、サスケを窮地に追い込みました。

水遁と土遁の組み合わせにより生まれる木遁は、初代火影・千手柱間が使用し、命をふきこむとう大変な能力が必要となるため、使い手がかなり制限される術でした。

その他にも、水遁と土遁で泥遁、火遁と土遁で熔遁、水遁と火遁で沸遁など他にもさまざま術が登場しました。

多くの読み手がこの術に一喜一憂し、自分自身が術を使っているのを想像したのではないでしょうか。

これらの術により、技というエッセンスがナルトには多分に含まれていることがわかりました。

そして、最後にナルトに欠かせない色はこれです。

 

ナルトの名言!多くの読み手が感動

1、「オレの近くに皆が居てくれる・・・オレはそれがすっげーうれしいんだよ!そんだけで力が湧いてくる!!

難しい表現ではないですが、その分ストレートに相手に感謝が伝わる素敵な言葉です。

 

2、「俺があきらめるのをあきらめろ。

我慢比べをし、どちらも折れない緊迫した状態が続いていたとしても、この言葉を言われてしまったら、こらえていたものがどっと出てしまい、負けを認めざる得ない状況になるかもしれません。

 

3、「オレは自分に嘘を付くようなやつは嫌いだ。

この言葉でぎくっとしてしまう方が多くいると思います。

ナルトのように打算的にならず、まっすぐな思いを伝えられるようにならなくてはと思わされる言葉です。

 

4、「ただここに来ると・・・昔のバカだった自分をいつまでも戒めたくなる。

どんなに成長しても昔のこと思い出したら、苦い経験なんて山ほどあります。

そういったものを良い意味で忘れないよう、振り返ることはすごく大切なことです。

 

他にもここでは書ききれないほど多くの名言がナルトには存在し、心に響くものばかりです。

ここで読み手が感じるものこそ「感動」であり、ナルトに必要不可欠な要素です。

こういった作品に仕上がったのは、作者である岸本斉史氏が、

まっすぐ自分の言葉はまげねぇ。それが俺の忍道(漫画)だ。

と強く思い続けたからなのだと思います。

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