サルと犬、水と油のように生き物だけではなく、物同士でも相性が良くないものというのは数多くあります。
ネコとネズミというのもそのうちの一つで、強さのバランスはネコが一方的に強いですが、そのパワーバランスをひっくり返し、その関係をコミカルに表現しクスッとした笑いを観ている人に送ってくれる「トムとジェリー」。
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今回はそんなトムとジェリーのコミカルな表情からは決して見ることのできない「都市伝説」をお送りします。
1話完結型のアニメに存在する最終回の話も必見です。
ウォー(戦争)っと驚く、トムとジェリーのモチーフ
つまらないギャグで見出しを作ってしまいましたが、いつも喧嘩ばかりしているトムとジェリーは、実はこの関係は戦争をイメージして作られたそうです。
トムは連合国であるアメリカとイギリスを、ジェリーはドイツを象徴しているのです。
本編でもトムがアメリカ兵に、ジェリーはドイツ兵のまねごとをし、戦争ごっこをするシーンがあります。
その回はとても子供向けのアニメとは言いがたいもので、非常に生々しく描かれていたようです。
内容は現在ではとてもではありませんが放映できるようなものではなく、大分今とは絵のタッチや表現の仕方がちがったようです。
ちなみに、初めて放送されたのは1940年で、ちょうど戦争の真っただ中でした。
製作者はこの時の戦争への訴え、暗くなりがちな時代だからこそ、少しでも明るく仕上げ世界を元気にしてくれようとしていたのでした。
ジェリーのトラウマ
アニメチーズのも言われる「エレメンタールチーズ」。
トムとジェリーに出てきて、「ザ・チーズ」とも言える定番型のチーズはネズミのジェリーだけではなく、観ている側の食欲も掻き立てました。
穴が開いているのが特徴的ですが、本来あの穴はチーズアイと呼ばれ、プロピオン酸発酵による炭酸ガスの気泡が固まったものです。
しかし、トムとジェリーにでてくるチーズの穴は気泡ではなく、ミミズが通って穴をあけたようなのです。
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話はそれだけでは終わらず、ジェリーがチーズを食べている際にミミズはチーズから出損ねて、うっかりジェリーに食べられてしまいました。
ミミズを食べてしまったジェリーはそれがトラウマになり、しばらくチーズを食べられない時期があったようです。
では何故、そのトラウマを払しょくすることができたのか。
それは単純に「生きるため」です。
ネズミは本来、なにか物をかじっていないと前歯が伸びすぎて口が閉じなくなり、死んでしまうのです。
前歯を削るためにチーズを食べたら、チーズのおいしさを思い出しそれから再びジェリーはチーズのトリコになりました。
トムとジェリーの最終回
トムとジェリーの話はいつもジェリーがトムを罠にはめて、してやったり。で幕を閉じます。
それを何年も繰り返し、おいかけっこを時にはコミカルに、ときにはシリアスに表現され続けてきました。
不思議なことに飽きが来ず、他の一話完結型のアニメとそん色ない完成度をたもってきましたが、他の作品にもあるように、トムとジェリーにもあらかじめ最終話が用意されているのです。
その最終回をご紹介します。
トムはおっちょこちょいのネコで、頭が良いジェリーにいつも振り回されています。
一枚上手のジェリーをいつか負かしてやる。とトムは意気込んでいるように映っています。
しかし、それは違ったのです。
何年も追いかけっこをしているうちに、トムはどんどん老いていきます。
ネコの習性で、死期を感じると誰にも見つからない場所にひっそりと姿を消すのです。
トムも例外ではありませんでした。
自らの死期を感じたトムはジェリーの目の届かないところで息を引き取ります。
違和感を覚えたジェリーはトムの死を察しますが、決して悲しんだりはせず、「退屈」に思うだけでした
そんな退屈に嫌気がさしたジェリーは、ふと見つけたネコにいつもトムに仕掛けているような罠を仕掛けます。
ジェリーはそのネコを罠にはめて憂さ晴らしをしようと企みますが、そのネコは罠には目もくれずジェリーに襲い掛かりました。
あっけなく捕まり、ネコにひとかみされたジェリーは致命傷を負います。
その時にジェリーは察したのです。
「トムよりものろまなネコに簡単に捕まってしまった。いつもトムは手加減して遊んでくれていたのだな」っと。
そう感じたジェリーは死んでしまう瞬間に初めてトムが死んでしまった悲しさを覚えるのでした。
それと同時に「また天国でトムと追いかけっこできる」という幸せな感情も湧き出で、親友にはやく会いたいと後を追うジェリーの姿が最終回では描写されています。
悲しく切ないトムとジェリーの最終回ですが、今後も製作者の「世界を明るく照らす」に反しない心でトムとジェリーの活躍を見守りたいものです。
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