アクション俳優でスタントマンとしても活躍していたアラン・バンクス（Alnain Vincx)氏はヨーロッパ映画界ではかなり名が知れており、俳優アラン・ドロン氏をはじめとする大物俳優のスタントを幅広くこなしていました。
1987年5月29日オランダのサーキット・パーク・ザントフォルトで行われたカー・スタントショーでは乗用車に乗ったアラン・バンクス氏（当時40歳）が4台のバスをカマロで貫通するという段取りでした。
数々の名演技や大仕掛けなスタント業をスマートにこなしていたバンクス氏の挑戦に誰もが失敗するとは思っていませんでした。
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このショーはテレビで生放送され、会場には妻と息子も見学に来ていました。
今世紀最大の挑戦
連結したバスの中を車で突き抜けるというこのカー・スタンドショーは3年前の1984年10月に3台目のバスの中で止まってしまい貫通できなかったという結果で終わっていました。
同じサーキット場での再挑戦に今回は前回を上回る速度を必要とされているため観客はスタントマンの命がけの挑戦を興奮しながら見守っていました。
テレビカメラはアクション前の緊張しているバンクス氏の様子やそれを見守る家族の様子などを１時間ほど放送していました。
予期せぬアクシデント
放送時間が残り30分を切った頃、バンクス氏のスタント・ショーが始まりました。
勢いよくバスに突っ込んだカマロが再びバスから出てきた時にはバンクス氏の首とカマロのルーフは無くなっていました。
首なし死体ととなってしまったバンクス氏を「体がぼろきれのような状態になっていた」とスタッフがコメントしています。
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「スピードの出し過ぎでカマロのジャンプが高くなってしまったため、1台目のバスに突入した時点でカマロの上部がえぐられてしまい、首が飛んでしまった」とか
「2台目のバスの天井が低かったため接触してしまった」
など原因を舞台設定の不具合やバンクス氏の技術のせいにするなど憶測が飛びましたが真実は
「カマロは2台目のバスの天井フレームに接触し、車の屋根もろとも彼の首も切断されてしまった。バンクス氏は即死。でも車は勢いを維持したままバスを貫通して飛び出していった」
という事のようです。
見守る遺族と日本の視聴者
バンクス氏の妻と息子が歩み寄ろうとするとスタッフは「来ちゃいけない！」叫びました。
父親の死亡を知った時の息子は半狂乱になってしまい、母親の胸元で泣き叫んでいました。
この内容は日本でも放送され、当時の「木曜スペシャル」という毎週木曜日の午後７時30分から9時までの放送でした。
まさに子供も見ているゴールデンタイムに流れたこの映像は大人ですら衝撃映像であり、ショックを受けた投稿があります。
事故の一部始終がノーカットでテレビ放送されてしまい、首のない遺体が日本全国ネットの放送電波にのってしまいました。
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