レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作「モナリザ」は日本でも美術の授業でも取り扱われるくらい有名で、知らない方はいないのではないでしょうか。
ただ、名前は知っていても実際に見たことがある方は少ないはず。
モナリザには多くの謎があり今だ解明されていない事があります。
故に映画やテレビでもよく取り上げられますよね。
今回は微妙な笑みの謎、瞳の奥の謎、背景の山の謎、モデルの謎について書いていきたいと思います。
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謎の笑みに隠された秘密
ルーブル美術館に所蔵されているモナリザは油彩画です。
あまりにも有名であるがゆえか、モナリザにまつわるエピソードは数多くあります。
中でも多くの議論をよんでいるのが、モナリザが絵の中で唇に微笑を浮かべている理由についてです。
これには様々な説があります。
例えば、「モデルである女性は、当時、お子様を失ったばかりで、我が子との思い出を思い出している」という説や、「モデルを退屈させないように、アトリエに音楽家や道化師を招いて楽しませていた」といった説があります。
実はこの絵は1503年から4年間、モデルが24歳から27歳ぐらいにかけて描かれたもので、ダ・ヴィンチは制作に4年もかけたのですが、そんな長期間、モデルに同一の表情をとらせることは当然不可能ということになりました。
そこで、ダ・ヴィンチは退屈してくる女性をなぐさめようと、エリザベッタの気を紛らわせようとした結果の微妙な微笑になってしまった。
なんていう背景もあったそうです。
なんにせよどれが真実かは分からないままですね。
瞳の奥に映る謎の暗号は誰へのものか
「瞳の奥?」と思った方もいるかもしれません。
この文字は肉眼で確認することができない程に凄く小さな文字です。
ですが超高解像度の写真で分析すると、瞳の中に黒い絵の具で描かれた文字が確認できるそうです。
右目には「LV」と書かれていています。
これはレオナルド・ダ・ヴィンチのイニシャルを示したものです。
左目は劣化していて見えづらく、アルファベットの「B」か「S」、または「CE」というイニシャルともとれる文字が描かれています。
これはモデルの正体を示す重大なヒントだとされています。
ダ・ヴィンチはメッセージを伝えるために象徴や暗号を多く用いた画家です。
モナリザを研究している人からは、『瞳は魂への扉』と考えていた彼は、「モナリザの目を通じてモデルの正体を明かしたかったのでしょう。」という見解も挙がっているので、その説が有力だと捉えられています。
有名な絵画にはこのようなイニシャルが隠されていることがよくあるのです。
現代人から見ればイニシャル=サインと解釈しますが、当時絵にサインをするという習慣はなかったので不自然だと思う人も沢山います。
画家のフェルメールは自分の思い描くメッセージをそれぞれの絵に描いて伝えていたなんていう見方もあるくらいです。
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背景の山は理想郷!?
モナリザが描かれた背景は、街中でも室内でもなく綺麗な花畑でもなくどこかどんよりとじめじめした雰囲気に包まれています。
なぜあんな背景にしたのでしょう。
インスタ映え重視の今では考えられない背景ですよね。レオナルド・ダ・ヴィンチは、モナリザの背景こそが自分が考えている理想郷と説明しました。
理想郷にしては何とも言えないですが、本人がそう言っているので理想郷であることは間違いないです。
彼はこの薄暗い背景にどんな理想郷を見たのか 大きな謎ですが、ここにきてある発見をした人がいます。
その発見は、「絵の中心を切り離し、左右を入れ替えてみると背景に山が出現する」というものです。
一説ではこの山はレオナルド・ダ・ヴィンチが好んで登った山だと伝えられています。
その山が美しく、印象的だったので背景にしたと言われています。
モナリザはいったい誰?
「モナリザ」は正式には「モナ・リザ」で、これはイタリア語で「リザ夫人」となります。
その為フィレンツェの商人の妻、リザ・デル・ジョコンドだとする説が現在もっとも有力だと思われていますが、イタリア文化遺産協会会長のヴィンチェンティ氏はこの説を否定しています。
絵の裏側には『149 』という数字が書かれていて、4つ目の数字は消えてしまっています。
これは、ダ・ヴィンチがミラノ滞在中の1490年代にこの絵を描いた事を示しているとされており、ミラノ公ルドヴィーコ・スフォルツァの宮廷の女性がモデルであったと考えられています。
また、モナリザはダ・ヴィンチの自画像だとする説も根強く存在しています。
イタリア文化遺産協会は、ダ・ヴィンチの頭蓋骨から生前の顔を再現し、比較検証するために遺体の発掘をフランス当局に申請しているそうです。
モナリザには二人の違った人物が描かれている!?
モナリザを左右に分けてみると、向かって右側は優しく繊細な顔をしています。
それに対して左側は口角も上がっておらず、どこか男らしさを感じます。
手に目を向けて見ても、右側は細く女性らしさを感じますが、左側は大きく男性らしさを感じます。
ダ・ヴィンチは同性愛者だと言われていますので、理想の人を描いたのかもしれませんね。
まとめ
モナリザは有名すぎて、さらに時間も経ちすぎてしまっているため今でも分からないことが多くあります。
その謎が絵画の楽しみとも言えますが、解き明かそうとする人は今なお大勢いるのです。
どの謎の説にも納得できる部分がありますが証明するところまではいっていません。
みなさんはどの説が有力だと思いますか。
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