『さっちゃん』といえば、日本人なら誰もが知っているとても有名な童謡の1つです。
現在では、『さっちゃん』と表記されることも多くなっていますが、オリジナルの曲は『サッちゃん』と表記するようです。
日本人の耳にはとても馴染みのある名前でもあることから、印象に残っています。
しかし、この『サッちゃん』、近年怪談として語られるようになったり、都市伝説の一部として若い人たちには伝わっています。
童謡『サッちゃん』と、都市伝説『さっちゃん』、その関係は一体どういうものなのでしょうか。
日本人なら誰もが知っている童謡『サッちゃん』
”サッちゃんはね
サチコっていうんだほんとはね
だけどちっちゃいから
じぶんのことサッちゃんてよぶんだね
おかしいね
サッちゃん”
(『サッちゃん』より1番抜粋 )
誰もが一度は聞いたことがありますよね。
元々はNHKのラジオ「うたのおばさん」で発表された曲が、子ども向けの童謡として歌われて来たものです。
作者が近所にいた女の子のことを歌ったものだそうですが、とてもわかりやすく場面が想像出来る歌で、子どもの頃に音楽の授業などで一度は歌ったことがあるのではないでしょうか。
実は少女の死を歌った歌だった?!
童謡、『サッちゃん』では、歌詞が3番までしかありません。
もちろん、子どもたちが歌う歌なので単純明快、かつ長くないものであるので当然といえば当然です。
しかし、この歌詞の内容をよく見ると、死とも受け取れる内容の歌詞になっていると、近年色々な推測が行われています。
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”サッちゃんはね
バナナがだいすきほんとはね
だけどちっちゃいから
バナナをはんぶんしかたべられないの
かわいそうね
サッちゃん”
(『サッちゃん』より2番抜粋 )
この歌詞がサッちゃんの死を暗示している歌詞だと話題になり、サッちゃんの都市伝説化が始まります。
本来は、大好きなバナナなのにまだ幼いからバナナを(お腹いっぱいで)半分しか食べられなくてかわいそう。
という意味であることは想像出来ます。
しかし、この歌詞が波紋を呼び、「バナナを半分食べた所で喉をつまらせて亡くなった」
という意味に捉えるようになってしまいます。
さらに
”サッちゃんがね
とおくへいっちゃうってほんとかな
だけどちっちゃいから
ぼくのことわすれてしまうだろ
さびしいね
サッちゃん”
(『サッちゃん』より3番抜粋 )
3番のこの歌詞が、サッちゃんの死を決定づける証拠として捉えられてしまいます。
とおくへいっちゃう=死んでしまった。
という解釈になります。
要約すると、以下のようになります。
サッちゃんは幼少の頃に近所に住んでいた女の子です。
まだ、名前で呼べなくてサッちゃんと呼ぶところから未就学児程度の年齢かと思います。
バナナが大好きなサッちゃんですが、ある日大好きなバナナを半分まで食べた所で喉につまらせてそのまま亡くなってしまいました。
かわいそうなサッちゃん。
その結果、実は近所にいたサッちゃんという少女が死んでしまってそれを悲しんだ歌になっている、とまで話は発展してしまいます。
現在の表記が『さっちゃん』であることや、オリジナルの歌の解釈を超えていることなどを考えると、童謡『サッちゃん』から都市伝説としての『さっちゃん』へと成長を遂げてしまったのです。
歌うと呪いで死ぬ?!さっちゃんの歌詞は続きがあった!
さっちゃん怪談の始まりは、もともとの童謡の歌詞が3番までしかなのに対して”幻の4番が存在した!”という触れ込みから発展していきました。
4番では何故かさっちゃんが事故で足を無くしてしまい、歌を歌った人のところに足を奪いに来るという恐ろしいもの。
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これは実際に北海道で起こった事故を元に作った歌詞と言われていますが、同様に都市伝説・怪談として語られている”テケテケ”と混同して伝わったものだと考えられます。
発展した『さっちゃん』には幾つかのパターンがあります。
・歌を歌うと足を取りに来るが、大好物のバナナを置いておくと助かる。
・歌を歌った人は死んでいったさっちゃんの呪いにかかって死ぬ。
・この話を聞いた人は一週間枕元にバナナの絵を置いて置かないと死ぬ。
など、回避する方法などが語られています。
また、携帯電話が出始めた時期に流行ったチェーンメールでも類似した内容のものが有りました。
童謡『サッちゃん』の歌詞に4番をつけて回し、メールを見た人は◯日以内に5人に送らなければ呪われる。
と言うもの。
このことから、都市伝説の『さっちゃん』は2000年代はじめから急激に語られ始めた比較的新しい都市伝説ともとれます。
まとめ
童謡『サッちゃん』には怖いことなど1つもありません。
しかし、近年語られている『さっちゃん』とは、一部が都市伝説化してしまった童謡『サッちゃん』の成れの果てとも言えます。
現代の情報化社会により、口頭でなくても簡単に事を伝える事が出来るため、形を変えて利用されて伝わってしまったことによりいつの間にか恐怖の対象になってしまいました。
歌にもある通り、1番かわいそうなのはサッちゃん本人なのです。
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